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平等な死などない【ワンピース】

第2章 暴食の末路


クマラが長く泳ぎ続け辿り着いたのは、自身の身体を幾倍も超える肉体を持つ“巨人”族の住まうエルバフであった。最初こそ歓迎はされなかったクマラだが、幾年も年月を過ごしていきクマラの事情を目にすることになる

成長は二十歳の人間に見込めないのは彼らも知っている。だが、年老いていかないことはどういう事だとエルバフの長は口にした。長寿の巨人ならば、少しくらい話すべきかとクマラは悪魔の果実の話をする

出会った時のように疑われた。だから、クマラは殺してみればいいと口にする。どうせ死ねないのだから、死なないのだから言ったところで変わらないと思っているのだ。それに、もし死ねたとするならば彼にとって本望だから

「……誠ならば、我ら非を詫びねばならぬ!」

確認の為と武器を振り下ろしたエルバフの長。その巨大な剣がクマラを真っ二つに裂くも、クマラの身体はまるで根を生やすように傷口と傷口を肉で繋ぎ、元の姿に戻っていく

その姿に後ずさるエルバフの民に(あぁ、こいつらもか)とクマラは落胆した様子で島を去る準備をする。だがエルバフの長はそれを止め、先述したように自らの非を詫びた

「我らはお前を友と認めた。最初から嘘など着いていなかったお前に疑いをかけた我らに非がある。どうか、謝罪を受け入れて欲しい」
「……まぁ、それで気が済むなら」

正直謝罪などどうでもよかったクマラだが、本当に申し訳なさそうな顔で見つめてくるエルバフの長を目にし、形だけでも受け取っておこうと向き直る

その日からクマラは数多くの巨人族と会話をする回数が増え、その最初に「すまなかった」と謝られる日々が続いた。特に、子供達は謝った後接触を控えることを解除されたのか、まるで以前から仲が良かったかのように接してくる。その事に最初困惑したクマラだが、子供とはこういうものなのかと、幼い頃得られなかった感覚を感じることが出来、少しばかり彼の表情には笑みが零れた
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