第4章 実子誕生
平凡な日々を過ごし、波に揺られ、ログの指すがままに生きるクマラ。何度か久しい顔を見にエターナルポースを使ったりなどして一向に前半の海へ向かうことがなかった
そんなある日、クマラはとある海賊のナワバリに足を踏み入れる。指針が指したから……そんな単純明快な理由で足を踏み入れた場所は、想像を遥かに絶する場所で
「マンママンマァ~!久しぶりだねぇクマラさん!」
「リンリン……!」
そう。クマラが降り立った島は現在シャーロット・リンリンが縄張りとして腰を下ろしている島だったのだ。十数年ぶりの思い入れある子供の姿に、クマラは大きくなったと目を細める
対して、リンリンはようやく出逢えたクマラの身体を抱き締めようと自身の中で悪戦苦闘していた。突然抱き着かれては困らないか、どのように接することが彼にとっての“正解”なのか、珍しく考えているからである
それを悟ったクマラは「本当に久しいものだ」と腕を広げた。それを見たリンリンは、嬉しそうにその身体に抱きつく
「クマラさん……あぁ、この感覚は久しぶりだぁ……」
すり、とクマラの頬に自分の頬を擦り寄せるリンリンを他所に、そういえばとリンリンの抱擁を今は解き現状の話を持ち出すクマラ。リンリンもそれについて話したかったのか、すぐ様話はそちらに流れた
彼女、どうやら家族を増やす気でいるらしく現在第二子を孕んでいるとの事。気付かぬ間に子を持てる年になったのかと唖然とするクマラであったが、相手は誰だと思い問いただす
「長男もこの腹の子も、みんな違うやつだよ」
「……?」
自分の聞いてきた話と違う事に少し首を傾げつつ、どういうことだとまた聞いたクマラ。リンリンは家族を増やす際相手からの精子、もしくは血液を貰いそのDNAを使って妊娠する方法を見つけたらしい。大量妊娠する予定故、態々面倒なことをしなくても済むと笑うリンリンにクマラは珍しく頭を抱える
人はそう簡単に子は成せない上、性行為なしで受精できる方法があるなんて聞いたことも無い。だが実際その方法でリンリンは妊娠している。世界はただただ広いことを痛感するほか無かった