【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
私達はグリムを先頭に炭鉱の中へと入った。
グリムは、見るからにビクビクしながら歩いてる。
でもエースに馬鹿にされるのが嫌で、今更引き下がれずにいるっぽい……いじっぱりな猫め。
ユウ
「グリム、怖いならくっついて歩いても良いよ」
グリム
「こっ、怖くねえ!!」
怖くない人はそんな声張ったりしません。
ユウ
「じゃあ……僕が怖いから、くっついててくれないかな」
グリム
「し、しょーがねーな……そこまで言うんなら、くっついて歩いてやらないこともないんだゾ」
グリムが、エースとデュースより後ろに退がって、私の足元真横にピタッとくっついて歩き始めた。
これで少しは速く進めるでしょ。
グリムと私の様子を見て、デュースが小声で話しかけてくる。
デュース
「お前、優しい奴だな」
ユウ
「でしょ」
後ろから、エースの押し殺そうとして殺しきれてない笑い声も聞こえてくるけど、そっちは気のせいってことにしておく。
炭鉱は、奥に進めば進むほど暗くなっていく。
デュース
「!?待て!」
グリムに代わって先頭を歩いてたデュースが、急に足を止めた。
エース
「んだよ」
ユウ
「どうしたの?」
デュース
「何か……いる!」
グリム
「ぴゃっ!?」
デュースの言葉に、グリムがその場で硬直する。
その時、私達の目の前に2つの青白い影が現れた。
デジャビュってやつかな……
ゴーストA
「ヒーッヒッヒ!10年ぶりのお客様だあ!」
ゴーストB
「ゆっくりして行きなよ。永遠にね!」
ユウ
「ヒッ!」
また出たーーーーーーーーッ!!!!
グリム
「ふぎゃぁ〜〜〜〜っ!!ででででたーーーっ!!!」
エース
「バカ、落ち着けって!」
デュース
「くそっ、ゴーストに構ってる暇なんかないっていうのに…!」
エースとデュースは割と冷静。
この世界じゃ、ゴーストとか珍しくないのかな?