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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第34章 恋情記 前編



それに、その様子を万一にルームメイトに見られたらと思うとゾッとする



『1人で寝れるの?』

「そこまてガキじゃねえよ」

『私に比べたら子供じゃない』

「婆さんうるさい」

『んも〜』


ヴィオラはそう言って、困ったように笑う
すると、ポケットの中から何やら香水のような瓶を取り出した

そして、シュッと音を立ててシリウスの周りに一吹きする


「なんだそれ?」

『ぐっすり眠れる香水
リラックス効果のあるアロマみたいな感じだね』

「ふぅん」

わざわざ用意してくれていたのか

それは素直にありがたいと思った
彼女なりの気遣いが感じられる




『さてと、ほんとに平気?』

「だからそこまで子供じゃねえって」

『まだまだ子供でしょ〜?』

ヴィオラはそう言って、シリウスの頭を撫でてくる
死んでいる者特有の、冷たい手

髪がぐしゃぐしゃになるが、それは気にしなかった
こんな風に撫でられた事がなくて、こんな触れ方を自分は知らなくて、冷たい手が暖かく感じられた

嬉しいような、苛立たしいような、よく分からない感情が渦巻く


「っ」

『あれ?照れてる?』

「照れてない!」

『あはは』

「〜っ」

顔を赤くしながら精一杯怒りを顕わにする

しかし彼女はそれを見て面白そうにするだけだった


(こんのババアめっ)

つくづくそう思ったシリウスである。




シリウスは掛け布団を深く被って言う

「もう寝る、だから出てけ」

『藪から棒になんてことを……』

「うっさい」

『も〜』

ヴィオラは呆れたように言う

が、ほんとに疲れたので放っておいて欲しかった









けど、どこか心細かった

ホグワーツにはジェームズもリーマスもいるので嫌なことは忘れられるが、今はなんだか一人ぼっちの気分だ
少しだけ寂しいと感じる


(…………)



少し考えてから決心した



「お、おい!」

『ほぇ?』

勢いよくベッドから顔を出して言う


ヴィオラはシリウスの言う通り帰ろうとしたようで、窓を開けて出て行こうとしている


「お、お前がいたいってんなら、別に……」

『??』




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