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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人



エルラがそんなすごい薬を作っていたとは

驚きすぎて言葉が出ない
母からはそんなこと聞いた事なかったから




「覚えているかな?君がまだ小さい頃、森で野生の狼に出会っただろう?」
「………あ!あれって!」
「そう、それは私だ
自我を持ったままの狼の私なんだよ」


思い出した

小さい頃の事なので忘れてしまっていた

あの時、野生の狼を治療したのは自分だ
そして初めて、『愛の魔法』を使った人


ルーピン先生だったのだ


「その時は、戻狼薬を切らしてしまっていたんだ
だから、エルラに貰おうとした
だが、台風に巻き込まれて怪我をしてしまった
それを治してくれたのが、ヴィオラ、君だ」
「覚えてます……でも、まさか」
「私だとは思わなかったろう?
私も、君と出会うだなんて思わなかった
驚いたよ、赤ん坊の頃の君がこんな風に成長してたなんて
そして、犬みたいに撫でられて可愛がられ、君を背中に乗せる羽目になるだなんて思ってなかった」
「〜っ」

ルーピン先生は面白そうに言った


確かにそうだ
動物好きの自分は動物ならなんでも撫でようとしてしまう

これはもう一種の依存性なので諦めていたが、今思えば直せば良かった

まさかルーピン先生を撫でていたなんて思ってなかった



シリウスが何故か楽しそうに言う

「分かるぞリーマス、私も散々撫で回された」
「おや、君もかシリウス」
「あぁ、食べ物をくれて毛布まで用意してくれていた
それは感謝したが、まさかもふもふされる羽目になるとはな
しかも反省文10枚提出を言い渡されたそうだ」
「はは、それは災難だ
しかし、やはり変わらないな」
「そうだな、あのババアのまんまだ」
「ババア?」
「「いや、こちらの話だ/だよ」」
「???」


何やら楽しそうに話している
積もる話でもあるのだろうが、こっちはそんな気になれない


「あの、それでこの屋敷の件は……」
「あぁ、そうだったね、すまない
横道に逸れてしまった」

ハーマイオニーが言うと、ルーピン先生は思い出したかのように話した


「当時、私はホグワーツには入れなかった
狼人間と一緒だなんて、親御さんから苦情が来るに決まってるからね」




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