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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第28章 出会いは突然に



わざわざクローゼットから服を出すのがめんどくさくてローブを着てきたことに後悔した

(あー、なんで私服着なかったんだろ……)

こんな事を思っている合間にも、クルックシャンクスは噛み付いてグイグイと引っ張ってくる
まるで「こっちこっち」と言うように


「?」


グイグイ


「待って待って、分かった、行くから」

あまりの引っ張りように、行く事にした























ザッザッザッ



「ニャー」
「はいはい、そっちね」


クルックシャンクスの後をついて行く


連れてこられたのは、森だ
夕日の光が届かない奥深く

僅かな光しか見えないこんな所に一体なぜ連れてきたのだろうか





「ニャーニャァ」
「ん?」

クルックシャンクスは突然大きく鳴き出し、トテトテトテと、可愛らしく駆けていく


(可愛い走り方だなぁ)


そう思いついて行くと



「ニャァ」
「あれ?犬?」

クルックシャンクスの隣には、倒れ込んでいる大きな黒犬がいた

(これって…)

一見、グリムのような姿

しかしこれは

「シリウス・ブラック?」

そう呟く

この黒犬は恐らく、シリウス・ブラックの動物もどきの姿だ
原作でも、「死神犬を思わせる姿」と表記されていた

なぜこんな所に



「……?」


近付いてみる

クルックシャンクスはシリウスを見て、逃げもせず、鳴きもしない
本当にこの犬が人間だと理解しているのだろう
賢い猫だ
ハーマイオニーにピッタリ


「…………………」

犬は動かない

眠っているのだろうか



触ってみると、暖かかった
でも、骨と皮だけで、衰弱してしまっているというのが分かった

「何も食べてないんだ……」

ディメンターから逃げる事に必死で、自分の状態を疎かにしていたのだ
おかげで衰弱死しつつある


「何か食べさせないとね…」


肉は駄目だ

お腹がびっくりして逆に具合が悪くなる

お腹に優しいもの
なおかつ元気が出るもの



(急がないとっ)






全力で走り、厨房へと向かった






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