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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第28章 出会いは突然に




「はい、息を吸って」
「スゥー」
「吐いて」
「ハァー」
「そう、その調子ですよ」


ホグワーツのある休日

マクゴナガルの研究室





ヴィオラは今、アニメーガスの練習をしている

目を閉じて、瞑想のようなものをしているのだ

「想像するのです、自分が成る動物の姿を
体を巡る魔力を感じ取り、それを変換させるのです」


マクゴナガルの指導の元、アニメーガスの訓練をさせてもらっている

「はい、もういいですよ」

マクゴナガルに言われ、肩の力を抜く
どっと疲れがやってきた


「アニメーガスの練習ってこんなに大変なんですね…」
「ええ、そうです
本来なら何十年もかけなければなりません
変身学の熟練者でも3年は必要です
動物もどきとはそれほど複雑な魔法なのですよ」
「うわぁ……」

先生の前なのに思わず「うわぁ」と言ってしまった
しかしマクゴナガルは気にしなかった
初めてなら誰だってそんな反応をするからだ



水を飲んで、気になった事を口にした

「…どうして私にだけアニメーガスの特訓をしてくれるんですか?
確かに変身学は得意ですけど、ハーマイオニーの方が上手ですよ?」

ヴィオラはそう聞いた

この間、マクゴナガルに「アニメーガスになれるかも」と言われとても嬉しかった
だが習得が大変と聞いていたので、出来る自信はなかった
しかし突然マクゴナガルが「部屋に来い」と言って、この練習が始まったのだ

確かに変身学は得意
授業中でもよく褒められるし、自分でも「よく出来た!」と思う
しかしハーマイオニーの方がもっとよく出来ているのだ


マクゴナガルはその疑問にすぐに答えてくれた

「ええ、確かにグレンジャーの方が変身学においては上手です
しかし、魔力操作の類はあなたの方が秀でています」
「魔力操作?」

聞きなれない単語が出る

オウム返ししてしまうと、マクゴナガルは答えてくれた


「アニメーガスには変身学の才能は必要ですが、それ以上に魔力操作の素質が重要です
例えば、動物を杯に変えたり」

マクゴナガルはそう言って机の上にある杯を手に持つ

「『フェラベルト(杯になれ)』」
「そうです
本来魔法とは、自身の体内にある魔法力を物質変換させる事で、あらゆる事を可能にする術なのです」



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