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夢繰り屋 凛 第五章 《おまけ》

第2章 次の段階。


『夢繰り屋』の噂を耳にしたらしい。

「夢繰り屋って、夢についての悩み相談してる
 らしいやん。いつから、カウンセラーみたいに
 なってるねん。」

…あ~。面倒な事になってきたか。

「まあ、お前が夢の相談に乗れるとは思わへんし、
 彼女やな…。鏑木 凛ちゃん。」

…やっぱり、調べてきたか。

「恐ろしく、『普通の子』やん。
 …せやのに、凄い能力持ってるねんな~。」

…誰かに聞いてきたな。

「俺も最近、変な夢見てるみたいやから、
 相談に乗ってもらう~。紹介してや~。」

「また、そのうちな。」

近い内に、言われる予想は出来ていた。
そして、気のない返事。
これも用意してた言葉。

面白そうな事が好きな奴。

俺もそうやから、絶対に引き下がらない事も
予想してたんやけどな。

その時期から、翔太のしつこいくらいの
『紹介して』口撃が始まった。

どうやって断るか…。
必死に断れば、逆効果やろう。
絶対、勘ぐられる。

コイツにだけは、凛と絡ませたくない。

凛の事を知れば知る程、
興味を持って、好意を抱くであろう事は
分かってるんや。

絶対に…。


煮え切らない俺の、受け答えの末に、
直接凛に接触してきたとは…。

せっかく凛をこれ以上、
目立たせたくないのに、
お前が周りをうろつくと
凛が目立ってしまうやないか!!

直接接触も時間の問題やとは思ってたけど…

…っっ!!近いわっっ!!

「おい、翔太。何やってんねん。
 ちょっとこっちこい。」

慌てて、引き離したんだ。


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