第4章 もう、離さない
リヴァイはオレの中で果てると、意識を失ったようだった。
モノが入ったままリヴァイは意識を失ってしまったため、まだリヴァイのそれが挿入されたままの陰部を、体をよじって抜いた。
そして、リヴァイの体を何とかどかして、転がっていたリヴァイのナイフで自身の手を縛っている縄を切る。
そして、ボタンのなくなったワイシャツを着て下着とジーンズをはいた。
切られてしまったさらしはもう役に立たないと判断し、置いてあるままにした。
意識を失って床に倒れこんでいるリヴァイを引きずるように運び、埃だらけのベッドに寝かせた。
いつの日か、一緒に寝ていたベッド。
あの時にはもう戻れないのか―
そう思って、家を出ようとしたその時だった。
「…行くな…」
「っ!」
リヴァイが涙を流しながら天井に向かって、手を伸ばしていた。
止まっていたオレの涙は、再び流れ始めた。
「ごめん…リヴァイ…もう、お前と一緒にはいられない…。お前と一緒にいたら、オレはきっと甘えてしまう」
意識のないリヴァイには届いていないとわかっていながらも口に出さずにはいられなかった。
踵を返し家を出た。
こんな格好をして外に出れば、間違いなく襲われる。
だが、今のオレだったら自分を狙ってくるものが何であっても切り裂くことができるだろう。
表しようのない怒りが自分のなかにあった。
家族だと思っていたリヴァイに犯されたことに対してではない。
きっとあの時リヴァイを置いて全てから逃げてしまった自分や、そのせいでリヴァイを傷つけてしまった自分に対する怒りだ。
なんであの時逃げてしまったんだろう、なんであの後リヴァイに会いに行かなかったんだろう。
どうしようもない後悔ばかりが押し寄せた。
こんな自分は消えてしまえばよかったのに。
自分は何かを傷つけることしかできない。
今まで何かを最後まで守り切ることができただろうか。
地上での居住権、幸せな生活、弟、左目…そしてリヴァイ。
何一つ守れない。
この世界に神様がいたなら、今すぐひざまずいて、オレは頼むだろう。
―オレを殺してくれ―
もう、何もする気が起きない。
もう、どうすればいいのかわからない。
もう、失うものは何もないのに、何かを失ってしまうことが怖い。
生きる意味が、欲しい