第5章 甘味屋での甘い休息
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「茶を二杯と、この娘に適当に甘味を見繕ってやってくれ」
「はい、毎度」
光秀さんが通い慣れた様子で店主に注文を済ませると、向かいに座る私を見つめる。
(どうしよう……。何て言って謝ろう)
「さて茜。貴重な休日に、ずいぶんと面白い真似をしていたようだな」
「……っ、ごめんなさい。 」
うまい言い訳も思いつかず、机に額がつきそうなほど、頭を下げた。
「ん……?」
「み、光秀さんがどんな人か分からないから、ちょっとだけ…他の人に聞いてみようかなって…。こそこそこ、嗅ぎ回る様な真似して、本当にすみませんでした」
「まったく……お前は馬鹿のつく正直者だな」
声をあげて光秀さんが笑い出す。