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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第4章 気の合う人


自宅までの道を二人で歩く。
ちなみに零くんは私を家に送ったら、トレーニングも兼ねて走って自分の家まで帰るんだと。食べて飲んでをした後にそれが出来るなんて、尊敬に値する。私もたまには運動しなきゃいけない……


自宅が近付くにつれ、先日の自宅前での事を色濃く思い出してきた。聞いても大丈夫だろうか。ウチの前に居た、あの男の人の事。


「ねえ零くん」

「なんだ?」

「この前ウチの前に居た人って……誰?」

「ああ……アイツは古い知り合いだ。こそ本当にヤツを知らないのか?」

「実はね、一瞬知り合いかと思ったの。でも顔見たら全然別人だった」

「……ならいい。関わるべきじゃない」

「なに、そんな変な人なの?」

「ある意味変人かもな……アイツに纏わる話も、次のカウンセリングで聞いてもらおうと思ってた内の一つだ……また今度話す」

「わかった」


零くんの声色も、表情も、冷たい。やっぱり聞くべきじゃなかったか。でもいつかは聞かされる事だったのか。


無言のまま自宅の前までやって来て、一人空を見上げる。今日は新月に近い小さな月だ。


「どうしたんだ?星か?」

「星って言うより月かな」

「へえ……」

「毎日見てるの。このクセも辞めなきゃいけないんだけどね」

「ふーん……月を見るくらい、どうってことなさそうだけどな」

「まあね……零くん、今日はありがとう!久しぶりに楽しかった!」

「ああ。お礼を言うのは僕の方だ。次はまた来週、だな」

「うん。帰り、気を付けてね」

「ああ。ありがとう」


はにかむように零くんは笑うと、本当に走って去って行った。しかも結構速いスピード。やっぱ体力あるんだな。




今日は色んなことがあった。寝る前に今夜の数時間の出来事を思い出してみる。


彼とは、いい友達になれるかも。なんだか波長が合うというか。無理に気を使うことなく、自然と過ごせた。

その先のことは……まだちょっと考えられないけど。腕や肩に軽く触れられただけでドギマギしてしまったのは、あまりにも最近男性との接触がなかった所為だろう。


そう言えばお魚の食べ方が綺麗だった……綺麗に食事をする人って男女関係なく好き。


そんな事を考えている内に、眠くなってきて、そのまま落ちた。
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