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淡雪に燃ゆる想いを【鬼滅の刃】

第1章 淡雪に燃ゆる想いを




目をパチリと開けて、そして気がついたら鬼だった。鬼になりたいとも思ってないし、なりたくないとも思ってなかった。突然目の前に現れた無惨様から、鬼になりたいかと聞かれて「まだ死にたくない」と返したとこまでは覚えてる。

「花札のような耳飾りをつけた鬼狩りを探せ」

怖い顔をした無惨様にそう言われたけど、あまりよく分からなかった。よく分からないけど、とりあえず起きようと思った。

鬼の世界は弱肉強食ピラミッド型のヒエラルキーで成り立っている。無惨様の手によって鬼になったものは皆、無惨様の事を怖いくらいに崇拝する。全ての鬼は無惨様だけの為に生きていると言っても過言ではない。無惨様の望むままに、彼を中心にして廻るこの世界。皆は無惨様に名前を呼ばれただけで一喜一憂する。そして私の名前を無惨様が呼ぶ。だがそれだけでは私は満ち足りない。だって忘れてる。

何かを忘れてる。誰かを忘れてる。
それが何かも、もう思い出せない。



「お前は鬼に成るべきでは無かった」

薄桃色の髪の冷たい瞳をした鬼が私に言う。なぜ鬼になったのか、そんなことはもう思い出せそうにもない。分からないけど、とにかく私は鬼だ。
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