第8章 捌ノ型. 悪意には悪意を
刹那が柱に認められる為、煉獄と共に任務をこなし初めてから早3ヶ月が経とうとしていた。
今日は朝から鬼殺隊の本部に収集をかけられている。
煉獄に聞けば今回の収集は柱だけでなく、丙以上の階級を持つ隊士も集められているとか。
「仰々しい。何かあったのかしら。」
むむむと難しい表情をする刹那に煉獄は微笑む。
これ程一度に隊士を集め、その中に刹那も含まれている以上絶対に刹那に関する事だと言うのに、
刹那は自分の事に関しては鈍いところがある。
(きっと今回の収集は、宇髄がお館様に提案したあの件のことだろう。)
あの件。
煉獄は既に今回の収集の目的について悟っていたが、自分の隣で百面相する刹那が可愛くてネタばらしするのを辞める。
この煉獄という男もなかなかにして意地悪なのだ。
そのまま刹那の疑問には答えず、本部へと歩みを進める。