• テキストサイズ

ナルシサス。【煉獄杏寿郎】

第11章 拾壱ノ型. 無限列車



_____________
___________________
________________
________
_____





途方もない闇。




先程まで感じていた痛みは消え失せ、




(ああ、俺は死んだのか。)





そう漠然と理解した。





宛もなく闇の中を歩いていれば、






誰かに手招きをされた。




そっちじゃない。



此方においでと、





優しい声で呼ばれる。
男の声だ。




その声に誘われるように、薄らと見える光へ歩みを進める。




道中その声と色々な話をしたと思う。



生い立ちだったり、残してきた家族の事、
今回の任務の事や

竈門少年に頼む事しか出来ず、直接伝える事の出来なかった刹那への想いの話だったり。




光が近づき辺り一面が明るくなった頃、ふとその声に聞き覚えがある事に気付く。

己の記憶を手繰り寄せて、


それがいつか聞いた刹那の父親の声だと気付いたのは、意識が現実に戻される少し前だった。




もう声を出す事は出来ず、いつの間にか後ろに立つ刹那の父に体だけ向ければ





「また会おう。強く気高い炎の獅子。俺が戻るその日まで、娘を頼む...」





それだけ言われ、一気に身体中に痛みが蘇った。



聞こえる喧騒と、胡蝶の自身を呼ぶ声に死の淵から帰ってきたのだと知る。



重い瞼を何とか開けて一番最初に目に飛び込んできたのは、
泣きじゃくる竈門少年と黄色い少年、そして豬頭少年の顔。

/ 210ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp