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【呪術廻戦】廻る日の青

第16章 因中有果






「―――ごめんごめん。待った?」



時間にして、約10秒後。
3人は、湖の上にいた。


「どこ!?ねぇここどこ!?」


わけがわからないと言った様子で、五条に首根っこを掴まれている虎杖が慌てている。

五条が声をかけた先―――湖の上にいるのは、火山頭の呪霊だった。


「見学の虎杖悠仁くんと、引率の五条なまえ先生です」

「富士山!!頭富士山!!」


火山頭の呪霊は、頭から血を流しながらこちらをぎろりと睨みつけている。その様子からするに、おそらく五条に派手にやられたのだろう。
呑気に紹介をしている五条の後ろで、なまえは顎に手を当てた。この呪霊、目に見える限りでも相当な呪力量だ。特級相当の呪霊であることはまず間違いないだろう。けれど記録にも登録にもない。特級は特別だから特級なのであって、未登録の特級がこうもホイホイ出てくるなんてことは通常ならばあり得ないことだ。

そんなことを考えていれば、虎杖があたふたしながら五条に向かって口を開く。


「先生、俺10秒くらい前まで高専にいたよね!?どーなってんの!?」

「んートんだの」


説明する気のない様子の五条に虎杖は顕著に顔を歪める。そんな様子をしばらく見つめていた火山頭が、ゆっくりと口を開いた。


「……なんだ其奴らは。盾か?」

「盾?違う違う。そんなわけないでしょ、僕の可愛い奥さんと生徒だよ。言ったでしょ、見学と引率って」


飄々とした様子で言いながら、五条は続ける。


「今この子に色々教えてる最中でね。ま、君は気にせず戦ってよ」

「……自ら足手纏いを連れてくるとは愚かだな」


確かに呪霊なのに、しっかりとコミュニケーションが取れている。そんな異質な存在に向かって、五条は構わずへらへら笑いながら続けた。


「アハハ、大丈夫でしょ。だって君、弱いもん」


瞬間。

火山頭の呪霊の頭が、噴火したように吹き出した。ビリビリととてつもない呪力量を肌で感じる。怒りを露わにしたその呪霊は、大きく叫んだ。


「舐めるなよ小童が!!!そのニヤケ面ごと飲み込んでくれるわ!!!」

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