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俺の異世界奮闘記

第12章 必殺技と回復魔法


ダットンの工房に着くと(ガブリ)エルが入り口付近でうろうろしていた。
「エル!?どうしたの?」
「ティアナ!?…子猫ちゃんも?」
(その呼び名、止めてくれない?)
いい歳した男に子猫ちゃんはないだろ?まったく…。

「…何で中に入らないんだ?」
「いや…ほら、昨日怒らせちゃったじゃない?
機嫌の悪いダットンは手に負えないのよ」
(ガブリ)エルにも気を使う相手がいるんだな。
「あのじいさんなら、多分平気だと思うぜ」
確証がある訳じゃないが、あの手のじいさんは煽てておけば機嫌は良くなる。
試作品の二、三本も出来てるかもな。

俺は工房の扉を開けた。
「おお!小僧来たか!」
ダットンは待っていたかの様に声を張り上げた。
目の前のテーブルには真新しいナイフが10本以上並んでいる。
「ま、まさかこれ全部、魔法銀のっ!?」
俺は目を丸くした。 
「ふん、わしに掛かればこれくらいどってことないわ!
まあ、まだどれが良いのかは分からんがな!ガハハッ!」
ダットンは豪快に笑い飛ばす。
「凄いわ!昨日の今日でもう出来てるなんてっ!」
「さすがダットンね!」
ティアナも(ガブリ)エルも驚きを隠せない。

見た目には何の問題もないナイフだが…。
「なんか問題あるのか?」
「魔法使いの知り合いがおらんから、どれが魔法に適しているのか分からんのじゃ」
そうか、武器としての出来も大事だけど、魔法の付与を考えてたんだよな。
魔法使いか…。
「シャルルはどうだろう?」
ティアナに聞いてみた。
「そうね、風魔法は補助魔法も多いし、ローズが認めるくらいだから良いんじゃない?」
「シャルルなら、わしも助かるのぉ!」
ダットンも乗り気だし、後でシャルルに頼むとするか。

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