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人を喰らわば鬼となる【鬼滅の刃】

第1章 怪物との境界線





「こ、こら伊之助っ!駄目じゃないか、人様の部屋に無断で押し入っては失礼だろう」


「げほっげほっ…え、なに、馬鹿なの!?猪じゃなくて馬と鹿だったの?!?!」


「うるせぇっ!手っ取り早くて良いだろうがっ!!」



『…。』



会話が一通り終わって、私の存在に気が付いたのかピタっと動きが止まる3人。
暫く無言の時間が過ぎた。
逃げようか、嫌でも彼らは鬼狩りだろう。
実力は見た目的にある、とは言えない気がするが、それでも私達を倒す為に鍛えているのだ。
簡単には逃げる事は出来ないはず。
しかもここは私が縄張りとしている所だ、ここから出ては食事にありつけなくなってしまうかも知れない。
えーーー…どうし……ん…?


私と目があって固まっている3人の内の黄色頭がフルフルと震えている事に気が付いた。
え…やっぱり私が鬼だってバレーーーーー…




「うおぉおおい佐藤ぅううっ!!!」


『っ…!?』



突然の事に思わず肩が跳ねる。
いやだって突然叫び出すんだもん、この黄色頭。
この呑気に気絶している男、佐藤って言うのか。



叫びにいち早く反応した額に傷のあるのが黄色頭を羽交い締めして押さえ込んでいる。
今にもこちらに飛び掛かって来そうだったから有難いけど、何この状況。




「てめぇ、佐藤っ!!
仕事サボって美人とイチャコライチャコラとかいい度胸だなぁっオイっ!!!
ふざけんなよ!!!まじでふざけんな起きろやオイィィイ!!!」




「ぜ、善逸っ、落ち着くんだっ!ダメだぞっ、先輩を呼び捨てにしちゃ!」



「いいんだよっこんなヤツ!!!
こんな美人と……」



「ん…?どうした善逸。
この女性がどうし…」



あんなに騒がしかったのに急に動きが止まった。
猪頭は元から止まったままだったが、こうも自分を見られて固まられると良い気分にはならない。
少しムッとしつつも彼等を無言のまま睨み返す。



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