第24章 計画は大抵計画通りにはいかない【真選組女中編④】
それから私は杏子ちゃんの部屋で彼女からデートの基礎についての講義を受けさせられていた
「要するに明日行うその任務っていうのは沖田さんと恋人のフリをしながら遊園地に現れるホシを尾行するってことですよね?」
『えっと…うん、まぁそんなとこかな』
「なるほど…ということは、やはり不自然に見られないようにちゃんとしたデートの術を身につけておかないとじゃないですか!」
人差し指を立て、ウキウキしながら話す彼女に私は苦笑いを浮かべた
『あ、で、でもデートって言っても副長がそこまで本気でやる必要はないって言ってたよ。ただ並んで歩いていればいいからって…』
「それで、結衣さんはどんなデートがしたいですか?」
『あれ、無視なの!?』
私の話をスルーしながら先々話を進める杏子ちゃん
『どんなって…無事何事もなく終わる感じの普通のデー…いだだだッ!』
言い終える前に杏子ちゃんに思いっきり頬を引っ張られた
『酷い…一応先輩なのに』
「こういうのに関してはうるさいんです私。ってそうじゃなくて、私が聞いてるのは結衣さんの理想のデートですよ」
『理想?』
「はい!考えたことありませんか?もし好きな人が出来たらこんなことしたいなぁとか…されたいなぁとか!!」
『急にそんなこと言われても…』
そもそもデートって何するんだろう…。
恋愛経験が無いと言うより、そういうのを今まで考えてこなかったせいで最近の男女のデートさえどんな感じなのか想像もつかない。
恋愛といえばこの間杏子ちゃんが貸してくれた少女漫画に出てきた男の人は好きな女の子に壁ドンとかしてたな…今はあれが流行ってるのかな。
次の瞬間、私の頭の中に"まさにそれだ"というシチュエーションが舞い降りて来た
そう言えばこの間観たドラマでそれっぽいことやってた気がする!!
「結衣さん?」
『えっと私の理想は…
壁ドンして毎日俺の為に味噌汁作って下さい!的な展開になるデートかな』
「いやどんなデートですかそれ、そもそも味噌汁のはプロポーズの言葉なんで色々間違ってますよ」
『え…』
必死に捻り出した理想は流行遅れのクサイ台詞だったらしく、その時の私を見つめる杏子ちゃんの目は少し冷ややかだった
今思えばあのドラマ…随分昔にやってた再放送だった気がする。
