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【ヒロアカ】暴走する、疾風と雷のジャンクフード【上鳴電気】

第4章  スタートの警鐘はいつも突然に



 幾度となく容赦のない怒声が聞こえてきて、最初は真面目に聞いていたもののうんざりとしてきている出久ちゃんを横目に、俺はこっくりこっくりと頭を垂れ、今にも眠ってしまいそうな状態に陥っていた。

 だって本当に眠いもの、元来俺は不真面目キャラ。くかーくかーって眠っちゃいたいスよね、などと妙な言い訳を脳裏に書き連ねながら、そろそろ限界と瞳を閉じようとしたその時。

 「hei!新入生諸君、エブリバディ?!今日は俺のライブへようこそ!」

 …咄嗟に耳を塞いでよかった、鼓膜が裂けていたかもしれない。
 反射的に生徒たちの注目をその一身に浴びている、先ほど大きな声をあげていた人の方へと向く。…あらま、教壇後ろ。てコトはスペシャルゲストとかではなくて先生?
 中々にアメリカンでハイセンスな格好。ラッパーみたくシャレオツなグラサンが逆立った髪に華を添えている。…いやぁ、いつかはあんな風になりたいな

 「それじゃあ早速だけど試験の概要説明をプレゼンするぜ!もちろんかまわないよな、HERO候補たち!」
 「いいともー!」

 いきなりッスね本当?! 先生がついグラサンだからってついこう答えてしまった…だってコレで「いいともー!」以外の回答したらダメじゃないッスか!

 してやったりという笑みを浮かべているらしき先生を見て唇をすぼめ悔しがりつつも、この人が説明担当なのか。と一抹の不安を流石に覚える。…ま、俺も大概似たようなもんだしいーか。半ば開き直って、俺はあのマジメちゃんにバレないようにこっそりと小声で今の心境をひとりごちる。

 「ふっふふ、楽しみッスね試験!ゴーカートとかあったらイイのにな!」
 「プレゼント・マイク…ほ、本物だ…!!」
 「… …アレ?」
 「大きな声を出す個性を持ち、ラジオ番組にも務めているプロヒーロー!その声の破壊力はプロヒーローの中でも随一と吟われるレベル…!」
 「…出久ちゃんってば」

 とりあえず分かったことは出久ちゃんは個性オタクってよりはヒーローオタク?っぽいのと、集中すると声が大きくなること。ヤバイッスよこれ、早く伝えてあげないと…

 「出久ちゃん、それ以上声を出したらあのマジメちゃんに…」
 「そこの君は妨害目的で受験をしに来ているのかね…?」
 「ヒイッ?!」
 
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