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【弱ペダ/新開】王子と女の子D【甘】

第12章 No.11 (インハイ2日目)


ーーside


「新開ーーーーーーーーーー!」

黒田「え、まだ見えてないスよ新開さん。」

「けど、わかるの。きてる。」


なんかわかんないけど、伝わる。
しかもすごい苦しそう。

ミサンガを作ったからなのかな?
なんかわかる。
すごい必死に戦ってる。



「どうしよう、泣きそう。」

黒田「ちょっと、まだ泣くのは早いですって!大丈夫ですって!」




歓声がだんだんと近づいてくる。
来る。どうしよう。



必死に祈った。
お願い。って。
私のこの気持ちは間違っていて、
新開は圧倒的リードしてる、って。

お願い。

圧倒的な差ついてて…。



私は目をつぶった。



車輪の音と奇声が聞こえる。

「ひやぁああああああああああ!!!」
「うらららららららら!」



あぁ、もう、どうしよう。



黒田「さん!来ますって!目を開けてください!」



私は恐る恐る目を開けた。


そして、状況に絶望した。


ガイコツみたいな気持ち悪い人と、新開が僅差で戦ってる。



いてもたってもいられなかった。








「新開ーーーーーーーー!見てるよーーーーーーー!抜けーーーーーーー!」








声が枯れるほど叫んだ。







その瞬間、新開が左側から気持ち悪い人を抜いた。








黒田「…え」

「え?なになに」

黒田「新開さん、普段左側から相手を抜けないんです…。だけど、今…。」


ポカンとした黒田くんの顔から私はレースに目をむけた。


左側から相手を抜いた新開はそのままケイデンスを止めずに爆走していた。
恐ろしい顔をしながら、前だけを見て。






だんだんと近づいてくる二人。

もう見てられなかった。

辛い。早く終わって欲しい。

今新開が少しだけリードしてる状態で。

お願い。







そしてゴールが近く。




「隼人ーーーーーーーーー!」




自然と下の名前を叫んだ。


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