第25章 強化合宿はじめます

宇『…何でこんないい匂いすんの？』

「いや、今汗臭いよ……嗅がないで？」

宇『……この位良いだろ。俺今日は
派手にぶっ壊れるくらい辛かったんだし。』

「……天元。あの……ちょっと離して？」


いつもならこれくらいは許してくれるが
今日はダメだったらしく、
腕を引き離されて膝から降りてしまった。

すくっと立ち上がりこちらを見つめる姿に
とりあえず謝ってみる。


宇『悪ぃ。……嫌だったか？』
「嫌じゃないけど、体制を変えたかったの。」

宇『……は？……え、何考えてんだお前。』
「………あー…やっぱり嫌……？」


オズオズと座り込んだは
ゆっくりと向かい合わせで俺の膝に座る。

脚を開いて首に手を回してこちらを
不安気に見つめる姿にこうなった
ありがたい原因が直ぐに思い浮かんだ。



宇『嫌じゃねぇからそのままでいい。
どーせまた、胡蝶に言われたんだろ？』

「……全部やる前にバレたｯｯ！！」

宇『全部ってまだ続きあったのか！？』

「…………な、ない。」

宇『………よしやれ、派手に全部やれ。』



予想はやっぱり的中したらしい。

柚樹さんとの恋路を応援していた
胡蝶はどうやら柚樹さんに惚れたらしく

今度は俺との恋路を応援すると
宣言してから度々ありがたい贈り物をくれる。

だから俺は柚樹さんと胡蝶の恋路を応援する。
という妙な共同戦線だが中々心強い。

毎度こうやってを上手く転がして
差し向けてくるのだが毎度いい線をついてくる。

ちょっとした出し物みたいな感覚だろうが
俺はそれでも普通にうれしい。