第8章 Anisodontea
※こんな宗次郎もいるのではないか、という思いで執筆。
キャラ崩壊が苦手な方はご注意ください。
「蛍さん。暇。」
「…」
「何か面白いことして。」
……。
「…あの、私今仕事中。」
「じゃあ早く終わらせて。」
…私が何か悪いことでもしたのだろうか。
ぶっきらぼうに命令し私のソファでごろごろする様からは、あの幼気な笑顔や丁寧な物腰は微塵も感じられない。
机に向かいつつそそっと様子を観察する。
…あ、何もそもそしてたんだろうと思ってたけど、おやつに取っておいた私のお饅頭を食べてた。
気だるそうにもく、もく、と頬を動かしそれの断面をじっと見つめる。
「…なんだ、白餡じゃないのかぁ。」
「人のおやつ勝手に食べといて…」
「何か言った?」
「いえ、何も。」
なんなんだこれは。まるでこれは不機嫌な子志々雄さんじゃないか。
「あの、宗次郎。」
「終わりました?」
「や、そうじゃなくて。あの」
「まだ?遅いなぁ。何やってるんですか。」
だから蛍さんは蛍さんなんですよ、とかなんとか。なにさ、その適当感。
「なんでそんなに不機嫌なの。」
「知りませんよ。いちいち人に追及するんですか?」
「だって気になって仕方ない。さっきから。」
「うるさいなぁ、僕だってこういう時はあるんですよ。」
うつ伏せに寝そべり、クッションに顔を乗せる。それを見てふと思った。