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◆DQX "シフォンケーキは誰のもの?"

第2章 愛おしい|バサグランデ




「バサグランデ、来てたんだね。」

「他に行く所も無いから寄っただけだ。
お前がどうしてるかと思ってな。」

「そういえば、今日もまた
街を襲ったんでしょう?
野菜を売ってくれるおばあちゃんが言ってた。」

「ああ、一刻も早くウェナ諸島を
我の物にする為にな。」

それはそうだけど…と思いながら
バサグランデの顔を見上げると、

「バサグランデ、ここ血が出てる。
今日の襲った街で怪我してる。」

そっ、と
彼の顔に手を伸ばす
少し顔を顰めながらも、傷を見せてくれた

「すまん…。気を付けたはずだったんだが。」

申し訳なさそうに耳がしょぼんと下がり、
大きいはずの彼が小さく見える

そんなバサグランデが可愛く見えて、
怪我したところを避けてよしよしと撫でる

「いいよ、悪化したら大変だから消毒しよう。」

そう言いながら、消毒液を染み込ませたコットンで
トントン…と消毒を手早く済ませた

時折、沁みるのか頬がピクピクと動くのが面白い

「なんだ、何がそんなに可笑しい?」

と不機嫌そうな彼、面白くてつい
笑ってしまったのがバレたみたいだ

「ごめんね、ちょっと消毒すると
ピクピク頬が動くのが面白くって。」

「…ふん。」




消毒を終え、ふたりで寝転がる
今日は、いい天気だ

窓から入る風でバサグランデの
鬣(たてがみ)が揺れている
一緒に居る時の彼は、優しくて少し寂しがりなのだ

ふと、バサグランデの方へと顔を向けると
彼の綺麗な瞳と目が合った

「○○、我はお前と出会えて良かった。
消毒も感謝している。」

不意打ちの彼の言葉に思わず頬が熱を
じわじわと持っていく
嬉しさの余り、返事に困っていると
彼が顔を覗き込む

「○○、顔が火照っているようだな。
くくく…さっきので、か?愛らしいやつだな。」

なんて嬉しそうに尻尾と耳を動かしながら
笑われたら、からかわれた恥ずかしさと
彼の可愛さで、やられてしまった

「もうー…でもお礼を言ってくれるバサグランデの
そういう所好き……。」

そう言って、また頬が熱くなるのを隠すように
彼の鬣(たてがみ)に
顔をうずめて、寝たふりをした

心地の良い風と彼の体温で眠気に誘われ
意識が遠のく中
彼の少し嬉しそうに笑っている声が聞こえた

「おやすみ、○○」



-END

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