第1章 あいつの名は
~10年前~
彼女はいつも不満を感じていた。
自分の芸術を理解してくれない者たちを、
他の者が創り上げた芸術は
自分が創り上げた芸術よりも
ゴミのように酷く、醜い物だったから。
彼女は小さい頃から絵描きだった。
親は物心ついた頃に捜査官に殺された。
絵はその親が教えてくれたものだった、
何枚も絵を描いては人に見せた。
その絵は喰い殺した人間の血で出来ていた。
見るものは皆喰種でも人でも嫌な顔をした。
だが次第に彼女の絵は認められるようになっていった。
それはなぜか?
彼女の絵を認めないやつから死んで行ったからだ。
ある画家は腕だけを喰われて殺され、
ある画商は口の部分だけを残して殺された。
そして必ず壁にその喰った人間の血で絵を描いた
気づけばいつしか彼女は有名な猟奇的殺人喰種とまで
呼ばれていた。
その名は喰種も恐怖を覚えるほどに。