第15章 ●気づき●
ベッドであんなにぐっすりと寝たのはいつぶりだろうか。
もしかすると初めてかもしれない。
地下街にいた頃は寝込みを襲われても対応出来る様に半分起きてるような状態が常だった。
調査兵団に入ってもそれは変わらなかった。
エマに頰を撫でられているとわかった時には表情にこそ出さなかったが、自分自身に驚いた。
普段なら触られる前に気づく。
エマが盛られたクスリは、また夜に抱いてやれば多分今日一日で抜けるだろう。
まだ抜けていないと言って囲いたいが、それは兵士としてのエマを殺すことになる。
明日には元の部屋に戻してやらないといけない。