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[おそ松さん]ストーグロックへ

第8章 レッドアイの宿命 闇エルフの黒魔法


「ケイト…。俺がいなくても平気か?」

「お兄ちゃん、私のことなら大丈夫。もしさっきみたいなことがあったら、目を開くから」

「……だが、相手にも家族がいるんだ。それを思うと、そう簡単には開けない」

「うん。だから、もうどうしようもなくなったらね。それ以外は開かないから」

「………わかった。くれぐれも気をつけるんだぞ?」

カラ松の妹ケイトは、おそ松たちの方を向き、深々と頭を下げた。  

「あの、兄はとても優しいんです。優しすぎるくらいに。どうか、兄をお願いします」

おそ松はケイトの頭を撫でた。

「大丈夫。カラ松はいざとなったら強いから。とにかく今日は、泊めてもらえる?」

「あ、ああ。もちろんだ!泊まってってくれ。すぐに食事の用意もしよう」

「誰が作るの?」

「アーハン?気になるのか?この俺さぁ!」

「兄の料理、美味しいんですよ」

おそ松たちはケイトの言葉が信じられず、微妙な顔をしていた。もちろんカラ松たちにはわからない。

やがて料理が運ばれてきた。見た目は普通だ。輪郭しか見えないのに、思った以上に繊細な調理の仕方だった。

「いただきます!」

意を決して口にするおそ松たち。

「ん!!」

「んぉおおおお!!」

「んまぁあああああ!!」

「ふふーん。どうだ、ブラザーたち。恐れ入ったか?!」

「「おみそれしました!!」」

「ねぇねぇ」

「んー?」

「カラ松兄さんって、呼んでもいい?」

十四松の言葉に、屈託のない笑顔を見せるカラ松。

「もちろんだ、じゅうしまぁーつ」

「やったぁ!また兄さんが、増えたっすよ!!」

十四松は事も無げにカラ松を頭上に掲げた。

「ぅおっ?!力持ちだな、十四松は」

「僕ね、森エルフの勇者の弓を使いこなすために、鍛練してるんだ!」

「オゥ、イッツア・ミラクル!森エルフの勇者か!アメイジング!」

「お前らさ、親はどうしたんだ?」

一松が聞くと、ケイトはカラ松の服を握りしめた。

「殺されたんだ…。俺に」

「えっ?!」

「まだ俺たちが小さい時に、闇エルフの襲撃にあってな。その時初めて目を開いた俺は、次々に跡形もなく焼き尽くされる闇エルフに正直、笑いが止まらなかった。だが、その俺に両親が危機感を覚えたんだろう。俺を止めに入ったんだ。……俺の勢いは止まらず、我に返ると両親は消えていた」


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