第2章 ここは戦国!?
佐助と共に外へ出てみると、賑やかな町が広がっていた。その道はコンクリートではなく普通の地面。通る人は小さい子から老人まで皆着物を着ている。まるで、時代劇のセット、いや、それ以上だ…。
「賑やかな城下町でしょ」
と佐助が言った。
そして私はあることに気がついた。
「城下町ということはさっきの旅館みたいな建物が…」
「そうだよ、城だ。春日山城」
(前に本で読んだ史実通りなら春日山城の城主は上杉謙信だ。)
「佐助さん、あなた一体何者ですか?」
この頃にはもう、タイムスリップしたことを受け止めざるを得なかった。
すると、佐助は
「現代では、大学院生。ここでは、上杉謙信の忍び」と言った。
あとから、聞いた話によると、今は、1583年。史実とは少し異なった歴史でこの歴史には死んだはずの上杉謙信、武田信玄ましてやあの本能寺の変で亡くなるはずの織田信長まで生きているそうだ。現在、ここ、春日山城には城主 上杉謙信の他に武田信玄そして家臣の真田幸村が住んでいるらしい。ちなみにこの三人は佐助さんが現代から来たのを知っている。
私は重要なことを思いだし、顔面蒼白した。
「恭華はどこ…?」