第8章 「幸せな一日を」上杉謙信 《BD小説》
今日は誕生日当日。
家臣の人達も朝から忙しそうにしている。
「舞」
ふと襖が静かに開くと謙信様がいた。
「どうかしましたか?」
「佐助に今日は一日休めと言われてな」
佐助くんが…?と思いつつ、
出来上がった着物と羽織を綺麗に畳んだ。
「謙信様、お誕生日プレゼントです。」
部屋に入り胡座をかいて座っている謙信様の前へと置いた。
「これは…?新しい羽織と着物まで作ったのか?」
謙信様は驚いた顔をしていたが、
心配そうに眉を顰めて私の顔を見つめる。
「あまり時間が取れなかったので
刺繍も少し雑になってるかもしれませんが……」
謙信様は羽織と着物を広げてじっと見ている。
……どうだろうか??