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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第10章 かくれんぼ


「美味しそう!」

「美味しそうだね」


互いに言い合い、鮮やかな黄緑色のずんだ餅を口に含んだ。

ずんだ餅は甘さ控えめで、枝豆の風味が濃厚ですっごく美味しい。大倶利伽羅さんの分も絶対買っていこうと思った。


「そういえば主ちゃん、気分転換は現世でドライブじゃなくて良かったのかい?最近は全然行ってないみたいだけど…」

「それも考えたんだけど、一期さん達と遊ぶ約束してるから、またの機会にしたんだ」


私は趣味がドライブなので、審神者になってからも時間が取れれば気分転換にドライブに行っていた。

何を隠そう審神者という職業は、なかなかの高給取りなのだ。

私のように車を所有して、現世の政府施設の地下駐車場に保管している審神者は多くいる。審神者歴が長い人の中には何台も高級車を所有している人もいるそうだ。

次元の狭間の本丸で暮らし、時間遡行軍の襲撃に現世の人間が巻き込まれる事を避けるために、現世の人達とは極力関わってはいけないという窮屈な生活を余儀なくされている審神者への、せめてもの優遇処置である。

審神者に就任したての頃は覚悟はしていたものの、慣れない審神者業に押し潰されそうになったり、家族や友達にすら会えないことに、寂しくて泣いてしまったり…


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