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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第3章 勝手な行動


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(山姥切side)


主が泣き止んだ後、俺の足は自然と手入れ部屋に向かっていた。あんな風にあいつが泣くなんて余程の事だ。あいつは優しいから自分が悪いと思っているかもしれないがそれは違う。

それに…俺達がもっと注意していればこんなことにはならなかったんだ。


「あ、山姥切くん。どうしたの?」

「なんでもない…」

「なんでもないって顔してないよ…」

「あんたには関係ないだろう」

「もしかして…伽羅ちゃんの所に行くつもりなのかい?だったら少し落ち着いてから…それに、伽羅ちゃんならもう反省してるようだったよ」


丁度手入れ部屋から出てきたらしい燭台切が俺に話し掛ける。あいつがあんなに悲しんでいたんだ。落ち着いていられるか。

反省していようがいまいが、一言言わないと気が済まない。

俺は燭台切を無視してそのまま歩みを進めた。


「山姥切国広だ。入るぞ…」


一声掛け手入れ部屋に入ると、長谷部が寝ている隣の布団で座っている大倶利伽羅がいた。手入れは無事終わったようだな。

俺が大倶利伽羅の布団の横に座ると、大倶利伽羅は怪訝な顔をして俺を見る。


「何の用だ」

「…主が、泣いていた」

「…」

「主は…今まで俺達の前では泣いたことがなかった。悲しいことがあってもぐっと堪えて…俺達に心配掛けないようにしていたんだ。そんなあいつが初めて俺の前で泣いた…その意味がわかるか大倶利伽羅」

「…」

「あんたが好き勝手振る舞うのは構わない。…それがあんたの生き様だって言うなら幾らでも好きにすればいい。だが、あいつを、主を悲しませるのだけは、泣かせるのだけは絶対に許さない」


俺はそれだけ言い放ち手入れ部屋を後にした。
言いたいことは言った。
後はあいつがどうするかだ。

主の涙が…俺の言葉が…少しはあいつの心に響いていればいいのだが…

そう思いながら見上げた空は、どこかどんよりと曇っていた。



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