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森の図書館

第1章 市立中央図書館?


ミケランが猫に話し掛けた。
「ドナルドの知り合いなのかい?」
「知り合いって程じゃニャい…
石田さんちの屋根が通り道ニャから、たまに見掛けるニャ」
ドナルドと呼ばれた猫は前足で顔を拭きながら答えた。

「あ、あの…私は石田真紀…え~とっ、中学一年で…いつもここへ本を読みに来てます」
私はミケランとドナルドのやり取りを見て、少し安心したから自己紹介をした。

「残念だけど、ここには真紀ちゃんが読める本はないよ」
ミケランは首を横に振った。
「でも、ここ森の図書館だって言ってたでしょ?」
「ここは動物専用なんだ
人間の真紀ちゃんは表の図書館じゃないと…」
そこにドナルドが割り込んできた。
「ミケラン、そんなけち臭い事言ってニャいで読ませてやれよ」
「そうは言っても、人が読める本なんて…」
ミケランは少し考えると…。

「あ~ぁ、あれなら読めなくても大丈夫かな?
真紀ちゃんは本の中の世界を見てみたいと思うかい?」
と、私に聞いてきた。
「本の中の世界?」
私はわけが分からず首を捻るだけだった。

(何?本の中の世界って?…大好きな本の中に入れるの?そんな事出来るの?危なくないの?

…でも、なんか楽しそう)

不安はあるけど、好奇心の方が勝っていた。
「…見てみたい!」
私はミケランに答えた。
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