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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第22章 トキメキが止まらない?❥織田信長




(はぁ...)

俺は天守で秀吉の話を聞きながら聞こえない程度のため息をついていた。

「...なので、この領地は安定しますが...」


秀吉は領地の話をしているが、信長はそれをどこか遠くにしながら聞く。

何故自分がこんなため息をついているのか。

それは自分が一番良く分かっていた。



(華に、会いたい。)


そう、心が華を求めている。

最近は忙しすぎてまともに顔を合わせていないが、それは仕方がないと、自分でも分かっていた。

しかし、心と体は違う。

体はしっかり政務のために動いていても心は華の方へと向かっているのだ。



(...前までは、こんな事は無かったのだがな。)


そう、前までは。

華という大切な存在が出来てから俺の生活は一変した。

それは悪い意味ではなく、良い意味でだ。

(ふ、ここまで俺が華に堕ちるとはな。)

少し自嘲気味に笑うが、華への想いは尽きない。



「...御館様。」


「!...なんだ。」


秀吉が俺のことを呼ぶが、華の事を考えていたせいで少し返事が遅れてしまった。


そんな俺を秀吉がじっと見つめる。

「...何かあるのならば言え。」

じっと見つめて何も発言しない秀吉に疑問を抱く。


それで秀吉が口を開いた。

「... 華に会ってきたらどうですか?」

「!!」

秀吉の口から華という言葉が出てきたことに驚く。

そんな俺を見ながらまた秀吉は言葉を続けた。

「華も、きっと寂しがってます。御館様がそんな顔をしているのは、右腕として耐えられませんので。」

「...そんな顔とはなんだ。」

俺のしているそんな顔とはなんだろうか。



「...お気づきにならないのですか?御館様は...すごく、飢えているような顔をしています。」


「!俺がか。」

「はい。御館様にそんな顔をさせるのは、華しかいないと分かっていますから。」

そう言うと秀吉は少し頬を緩めた。

「行ってください。御館様。今日だけなら皆許してくれますよ。」

少し笑いながら俺を見る。


「貴様...」


俺はそこまで言うと秀吉と同じように笑った。


「ふっ、どこまでも世話焼きな奴だ。」


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