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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第21章 純白華蜜烈火理論❥徳川家康






「で、何ですか?」

光秀さんに呼ばれた俺は何事かと光秀さんに問う。


「あぁ。それなんだが...」




「は...!?」




光秀さんから話された内容はかなり驚くものだった。


俺が見合いをしようとしていた姫が見合いをすっとばして祝言を上げたいというのだ。


「俺は華しか嫁にしないって決めてるんですけど。」

さすがにそれは無理だと思い光秀さんに反抗する。

光秀さんも顔をしかませていたが、

「でもな。祝言の真似事だけすれば、かなりあの大名の裏が取れそうなんだ。」


その大名というのがかなりの酒好きらしく。酔ったらほとんど何でもペラペラと喋ってしまうらしい。


「その機会を逃す手は無い。華にはきちんと説明すれば分かってくれるだろう。」


「そうです、けど...」


ただの真似事でさえ祝言は華としか上げたくない。



そう思ってい俺が言い淀んでいると...


光秀さんが俺の肩にぽんっと手を置いた。


「家康、これは謀反の裏付けをとる大事な時だ。明日まで、よく考えてくれ。」


そう言ってもと来た道を光秀さんは戻っていった。




そんな中、俺はずっと立ち尽くしていた。


(確かに、これは謀反の裏を取る良い機会だ。俺が祝言の真似事をすれば全てが片付くだろう。)


でも。



浮かんでくるのは、俺の大好きなあの笑顔だ。


にこっと笑って家康!と呼ぶあの声も。


全部全部大切なものだ。


きっとこれを聞いたあの子はすごく悲しむだろう。

心も深く傷つく筈だ。


でも、それを俺の前では出さずに見えないところで悲しむ。

その様子がありありと想像できて、それだけでも胸が痛んだ。







(っ、俺に、出来るのか?)






あの子を傷つけるようなことが。


(...どうしたらいい?)




俺は立ち尽くしたまま思考の波へと呑まれていった。



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