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if...もしもあの時…

第2章 悪夢再び…


通勤電車に揺られて会社に向かう。
いつもならぎゅうぎゅう詰めなはずの列車が何故かガラガラだった。
「あれ?今日休みじゃないよね?」
今の会社に勤務してから十年間、座って通勤出来たのは数えるくらい。
なんか気味が悪いと思ったけど、元々そういう事は気にしない方だからその列車に乗った。

座ってスマホでニュースを見ていると…、
「失礼致します」
聞いた事のある声に顔を上げる。
「あ、あなたは夢の…」
そこに立っていたのは、黒いタキシードに身を固めた執事リチャードだった。
「昨夜は突然、夢にお邪魔してご無礼致しました
この列車は我が主からのささやかなお詫びです」
「…え~っ!
ガラガラなのはそのせいなの?」
正直、これもあの悪夢の続きなのかと思ったが…。
「この一年、どうお過ごしになるか、決められましたか?」
「決める訳無いないでしょ!
私はまだ死ぬ気は無いの!」
涼しい顔で聞いてくる執事にキレてしまった。
「それは困りましたね
寿命は貴女様の運命でございます」
「そんなの知らないわ!
それと、その“貴女様”って止めてくれる!
私には坂井彩奈って名前があるの!」
子供みたいな事を言ってる自分が少し情けなかった。
「では彩奈様、これから我が主にお会いになりますか?」
「はぁ?これから会社、仕事があるの!
貴方はこれが仕事かも知れないけど、私にも私の仕事があるのよ」
私はきっぱりと断った。
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