【金城剛士】あえてコトバにするなら【B-project】
第6章 鼓動アンビシャス.5
剛士side
《あぁん。はぁっ、剛士ぃ…》
俺のベッドで、一糸まとわぬ姿で、汗をかいて、潤んだ瞳でこちらを見つめる漣。
布団に入っても飯食っててもギターを弾いても昨日の夜が脳裏から離れない。
「だぁーーっ!!」
スタジオにこもってギターをかき鳴らしているが漣の姿がチラつく。なんであんなことしたんだ。いままで女とか恋愛対象のような目で見たことは無かったというのに。
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主人公side
今朝起きると、まず頭痛と吐き気が僕を襲った。
そのあと、お腹に鈍痛。つーと垂れる感覚。
まさか。
「生理……?」
僕は一年以上生理が来てなかった。なんで今?色々な体調不良が一気に来て結構キツイ…
着替えて洗濯物を持って(THRIVEの部屋で血のついた服を洗いたくなかった)僕は夜叉丸さんの家に向かうためのタクシーを呼んだ。
「漣、おはよう。具合悪そうだけど。二日酔い?」
健十がキッチンから僕に話しかけた。今日は健十がご飯当番か。
「それもあるし、なんか急に生理が来て。具合悪いから夜叉丸さんのとこ帰る。」
「それは大変だね。ゆっくり休んできて。」
「ありがとう、健十。剛士と、悠太にも、よろしく言っといて。」
僕は収録で留守の悠太を思い浮かべた。いたらうるさそうだから留守でよかったかもしれないと苦笑いした。
「そういえば、剛士は?」
「なんか、朝からずっとイライラして、ギターを弾きにスタジオ。」
健十はウザったそうな声で答えた。
「ふーん。あ、タクシー来た。じゃあ、またね。」
「うん。気を付けてね。」
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「夜叉丸さん。急にごめん。」
「何を言ってるの。ここは漣ちゃんの家でもあるのよ。おかえりなさい。」
「うん…ただいま。」
夜叉丸さんは出迎え早々、僕の荷物を奪い取り、玄関に置いて、僕を抱き締めた。夜叉丸さんは、僕の兄で父親で母親だ。この場所がすごく安心する。
「仕事、忙しいんでしょ。僕、勝手に寛いでるから。」
「漣ちゃんより大切なものなんてないわ!お世話くらいさせてよ。」
夜叉丸さんは僕をルームウェアに着替えさせて、ベッドに寝かせたあと、暖かい梅干し粥を持ってきてくれた。