第20章 日常8:パーティー…とは?
「も、勿論行くよ」
だってニノだよ?
もし僕がいないとなったら、何を言い出すか分かんないもん。
「で、いつ?」
僕は櫻井くんから受け取ったタイムカードをカードレコーダーに差し込むと、印字が終わるのを待って引き抜いた。
「いつって…、今日だけど?」
「はあ?」
え、ちょっと待って?
今日とか…いきなり過ぎじゃない?
だって僕、たった今その話聞いたばっかなんだよ?
なのに今日って…
「え、僕、何も用意してないよ?」
パーティーってことはさ、一応プレゼントくらいは用意しないとじゃん?
いくら先に渡してるって言ったって、流石に手ぶらでは行けないよ。
「ああ、それなら心配いらないよ、俺が用意したから」
そう…なの?
「ま、男の人に花束とかって、喜んで貰えるか分かんないけどね?」
へえ…、ニノに花束ね…
プライベートのニノは、ゲームにしか興味がない、超テキトー男なんだけどな…
そのニノに花束か(笑)
あ、でも相葉さんがいるから、無駄に枯らしちゃう心配はないのかな。
「あ、でもバイト終わってからだと、けっこう時間遅くなっちゃわない?」
僕達のバイトが終わるのが九時で、それから速攻ニノのマンションに向かったとして…
「着くの十時過ぎになっちゃうよ?」
その頃には、もうパーティー終わっちゃってるんじゃない?
「ああ。それなら心配なぃみたいだよ? 招待されてんの、俺らだけみたいだし」
あ、そうなんだ?
じゃあ安心か…って、え?
「僕達だけ? 他には?」
「いや、他には何も聞いてないけど…。ま、行きゃ分かんじゃない?」
そりゃそうだけど…
はぁ…、ニノのお誕生日はお祝いしたいけど、何だ僕、すっごく気が重いよ…
「さ、仕事仕事♪ 店長が呼びに来る前に行こうぜ?」
「う、うん…、そうだね…」
ガックリ肩を落とすと、一瞬は消えたと思った筋肉痛の痛みが、再びぶり返したような気がした。