第20章 日常8:パーティー…とは?
「あ、そう言えばさ、あの話つて聞いてる?」
エプロンをかけながら、櫻井くんが思い出したように言う。
けど、僕には何のことだか分からなくて…
「あの話って…、何の話し?」
首を傾げる僕に、櫻井くんが一瞬驚いたような顔をするけど、僕にはさっぱり分からないんだから仕方ない。
「だーから、二宮さんから何か聞いてない?」
え、ニノ…から…?
ってことは、もしかしてこの間言ってた、櫻井くんがAV出るとか出ないとかのこと?
それ以外には思い当たらないけど…
「えと…、何も聞いてないけど…?」
だってこの間だだってニノとは丸っと一日い一緒にいたけど、何にも言ってなかったし…
「え、何の話だったの?」
僕にも関係のある話しなの?
「いやさ、二宮さん誕生日だったらしくてさ…」
「ああ、うん…そうだね」
って、僕もつい最近知ったばっかなんだけどね(笑)
「で、簡単なパーティー開くから、来ないかって言われてさ…」
「え、そう…なの?」
そんな話し、僕何も聞いてないけど?
「大野くんも来るからって、言ってたんだけど…、聞いてなかったんだ?」
「う…ん…」
ってゆーか、超勝手じゃない?
僕、行くとも行かないとも言ってないのに、しっかり行くことになってるしさ、大体僕を通り越して何故櫻井くんに?
僕の方が櫻井くんより先にお友達になったのにだよ?
しかも、お仕事とは言えエッチだってした関係なのにさ…
その僕を無視するなんて、ちょっと酷くない?
「どうする?」
自分の分と僕の分、二枚のタイムカードを取り、僕の分を差し出しながら櫻井くんが言う。
「どうする…って?」
「行くか行かないか、どうするかって聞いてんだけど…?」
もし僕が行かないって言ったら、櫻井くんも行かないのかな?
…って、そんなわけないか(笑)
だって櫻井くんにとってニノは、HIMEに近付くための大事な“コネ”でもあるもんね?
だったら僕は…