第7章 星空の下
「ううん、ないと思う」
俺たちの目の前に、俺の車があった。今は瓦礫となった屋敷から、少しも離れていない場所に。来た時はもっと、遠かったはずだ。
「ポチ」
ピッピッ
クラクションが鳴る。誰も乗っていないのに。
「付喪神かしら」
「……………じゅうしまぁつ?」
ピッ
「ハッスルハッスル」
ピッピピピッピピ ピッピピピッピピ
「あはは」
「お前、○○の子にならないつもりか?」
ピッピッ
「ほら、早く兄貴たちのところへ行け」
ピッ
車から1つの光が出てきて、空へ昇っていった。
「また会える日を、楽しみにしてるぜ」
「ハッスルハッスル!」
「マッスルマッスル!」
俺たちは笑いあった。車に乗り込み、○○の家の住所を入れる。
『目的地へのルートを検索します』
今度はちゃんと作動した。車を走らせると、空に6つの星がいつまでもいつまでも、俺たち二人を見守っていた。
完