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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第156章 ◇第百五十五話◇始まりの場所で愛を誓う(下)【運命の決戦編】


以前の壁外調査のときに旧調査兵団本部を使用したことで、倉庫には立体起動装置と超硬質スチールがまだいくつか残っていた。
巨人化出来るエレンをまたいつこの旧調査兵団本部に連れてくることになるか分からないから、これからもいくつかはここに保管しておく予定なのだそうだ。
その倉庫の鍵を開けて中に入ったリヴァイ兵長は、立体起動装置を腰に装備すると、慣れた手つきで私を抱き上げた。
今だにドキドキするけれど、この角度からの至近距離のリヴァイ兵長の横顔を愛おしいと感じられるくらいには、この場所が私だけの特等席だと思えるようになっている。

「しっかりつかまってろよ。」
「はい。」

リヴァイ兵長の首にまわした手に力を入れる。
胸板に私の身体をしっかり密着させれば、リヴァイ兵長は片手でその身体を支えながら、アンカーを城壁に飛ばした。
ワイヤーを巻き上げては、アンカーをまた別の場所に刺す。
それを何度か繰り返して、辿り着いたのはこのお城で最も高い屋根の上だった。
リヴァイ兵長にそっと屋根の上に降ろしてもらった私は、すぐに夜空を見上げた。
あのときと全く同じ、降ってきそうなほどに星が輝く満天の夜空に鳥肌が立った。

「あのときもは夢中で星を見てたな。」

リヴァイ兵長が隣に並んで夜空を見上げた。
でも、驚いた私は星を見上げることも忘れて、リヴァイ兵長の方を向く。

「覚えてたんですか?」
「お前が親友に会いてぇと言うから、連れてきてやったんだっけな。」

リヴァイ兵長は夜空を見上げながら答える。
でもきっと、この場所に連れて言ってほしいと私がお願いした理由を彼は知らない。
あのときの私も、こんな日が来ることを知らない。
だから、苦しくて苦しくて、たくさん泣いたー。
叶わない恋だと、泣いて泣いて、何度も諦めようとした。
それでも諦められなくて、どうしても好きで好きで、何度だって泣いた。
でも、諦めなくてよかったー。
あの日の私に教えてあげたい。
苦しくても信じて、自分の気持ちと、愛おしい人の愛をただひたすら信じてってー。
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