• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第149章 ◇第百四十八話◇命懸けの幸せを守るために走れ【女型の巨人編】


「絶対に行かさない。はここで俺と結婚するんだ。
 必ず俺のものにする。巨人に殺させたりなんかしない…!」

力強い眼差しと、痺れるくらいに痛い手の力。
ルーカスの本気は嫌というほどに伝わって来た。
でも、今の私には、彼の気持ちだとか愛だとか、考えてやるだけの心の余裕も時間もなかった。

「アルミン、私の腕を切り落して。」
「えッ!?そんなことー。」
「ルーカスは絶対に私の手を放さない!もう腕を切って行くから、早くして!!!」
「そんな…っ。」

私の発言に、アルミンはどうしたらいいかわからない様子で、立体起動装置の鞘と私を交互に何度も見る。

「君は何を言ってるんだ。片腕の状態で戦場に行って何をする気だ。
 死にに行く気か。」
「両腕残したままこんなとこであなたと睨めっこしてるよりは、
 よっぽど有意義に生きてられるわ!!」

私とルーカスの睨み合いが続く。
どちらも引かないし、アルミンはどうしたらいいかわからない様子だー。

「あーっ、もう遅い!!貸してっ!!自分で切る!!」

アルミンが腰につけている立体起動装置の鞘から超硬質スチールを抜き出した。
真っ青な顔で何かを叫んだ彼を無視して、私は刃を振り上げる。
母親が悲鳴を上げた。

「放せばいいんだろ!!!!!!」

超硬質スチールを振り下ろしたのとほぼ同時にルーカスが怒鳴るように叫んだ。
ルーカスの手が離れた私の腕に超硬質スチールが触れて止まる。
皮膚を切って、真っ赤な血で赤い線はできたが、左腕は繋がれたままで残っていた。

「俺の腕じゃなくて、自分の腕ってのが君らしいよ。」

ルーカスが何か小さな声で呟くように言ったけれど、また騒がしくなっていた広間ではよく聞こえなかった。
それに正直、どうでもよかった。
とにかく、私はみんなの元へ急がなければー。
/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp