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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第148章 ◇第百四十七話◇誓いの言葉を言わせないで【女型の巨人編】


神父様が、これより式を始めると宣言する。
私とルーカスは、隣に並んでとてもご立派な神様のお話を聞いた。
それでも、私が全神経を集中させて耳を澄ませていたのは、扉が開く音。
そして、私を攫いに来たリヴァイ兵長の声を探すー。
あぁ、でも、もうそれも終わりだ。
愛しい人を待つために残された時間は、もうすぐなくなってしまう。
神父様がルーカスに、永遠を誓えるかを尋ね始めた。
私は顔を伏せ、ベールの下で瞳も口も閉じる。
今頃、リヴァイ兵長は何をしているのだろう。
何を思って、何を考えて、どんな気持ちで、今日を迎えているのだろう。
私の幸せも、不幸も、どうでもいいくらいにそばにいたいと言ってくれたあの人は今ー。
ルーカスが、永遠の愛を誓った。
神父様が、私に訊ねる。
病める時も、健やかなる時も、永遠にルーカスを愛し続けると誓うかーと。
あぁ、リヴァイ兵長のことを思い出すのはこれで最後だ。
伏せていた顔を上げ、私は前を向いた。

「私は・・・・・・っ。」

どうしても言えずに、ギュっと目を瞑って唇を噛んだ。
誓いの言葉を交わしてしまったら、その先にあるのは、永遠にリヴァイ兵長に会うことを許されない世界。
それを母親は幸せと信じ、私は地獄だと呼んだ。
今このとき、何が正しいのか、未来にならないとわからないのかもしれない。
でも、私はたった一言、リヴァイ兵長からの言葉があれば、自信を持って運命も信仰心も投げ捨てられるのにー。
永遠の愛を誓えない花嫁に、静かだった厳かな式場がザワつき始める。

「、もう諦めるんだ。あの男は迎えには来ないじゃないか。
 君に嘘をついたんだ。早く返事をー。」

しびれを切らしたルーカスが小さな声で私を叱っているときだった。
大きな音とともに、式場の扉が勢いよく開かれた。
驚いて振り向いた私が見たのは、幸せの儀式をぶち壊すにはあまりにも残酷なほどに、真っ赤な血に染まった兵団服だった。
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