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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第143章 ◇第百四十二話◇すくうために許し合えたら【女型の巨人編】


苦笑に歪む口元も優しくて、あぁ、名前で呼んでみたいと今までよりももっと強く思う。
でもやっぱり、今までずっと部下として名前を呼んでいたから、今さらそれを変えるのはなんだか照れ臭い。

「よし、決めた。が俺を呼び捨てに出来たら、この喧嘩は終わりにしよう。」
「え?」
「が俺の名前を呼んだら、仲直りだ。
 それまでずっと、喧嘩は継続だ。」
「そんな…っ、ズルいです、そんなの…っ。」
「喧嘩のときに出た本音をちゃんと2人で解決するために、こうしてんじゃねーか。
 俺はもう二度と、のどんな些細な願いも見過ごさねぇと決めてるんだ。」

強引な台詞が、すごく優しくて、切ないくらいに私に教えてくれる。
私の愛する人は、私を心から大切にしようとしてくれているんだってこと。
私はこの人を、心から信じていいのだと。

「愛してる、…リヴァイ。」

初めて名前を呼んだ私に、リヴァイ兵長は少しずつ目を見開いていく。
それが余計に私を恥ずかしくさせる。

「上出来だ。これで、仲直りだな。」

リヴァイ兵長は私の髪を優しく撫でると、背中に手をまわして抱きしめた。
そして、私の肩に顎を乗せて、呟いた。

「癖になりそうだ。想像以上の、破壊力だった。」

零れたような感想が、可愛くて、嬉しくて、やっと私の顔に笑顔が浮かぶ。
こんな残酷な世界で、好きになった人がリヴァイ兵長で本当によかった。
本当にー。
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