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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第142章 ◇第百四十一話◇彼女を救うのに武器は要らない【女型の巨人編】


エレンが、攫われたー。
正直、何が起こってるのかを私が把握していたのかは自信がない。
ミケ分隊長の予想通り、ライナーとベルトルトは知性のある巨人だった。
でも、ユミルも巨人だったのか。
どうして、自分達は大勢の犠牲を払い、巨人の大群を連れて馬を走らせたのだろう。
今、巨人の大群に襲われている鎧の巨人はライナーで、超大型巨人のベルトルトと一緒にエレンをどこかへ連れて行こうとしている。
あぁもう。
頭が痛いー。

「進め!進め!!エレンはすぐそこだ!!」

エルヴィン団長が巨人に右腕を食われながら、叫ぶ。
狂気の沙汰だ。
それでも、兵士達は止まれない。
ここは地獄だろうか。

「クッ…!」

私は、悔しさに歯を鳴らす。
でもここで、後悔をしてる暇はない。
あの巨人の大群を掻い潜って、誰が鎧の巨人に近づけるのか。
誰かがそんなことを言った声が聞こえたー。

「テュラン、あっちで待ってて!」

テュランの背中を蹴った後、私はその背に立ち上がる。
近くの巨人を柱にすれば、鎧の巨人の元へー。いや、ライナー達の元へ行ける。
アンカーを飛ばして、私も飛び上がる。
邪魔な巨人を討伐しながら、私は一気にライナー達の元へ近づいた。
ミカサやジャンもすぐそこまで来れたのに、巨人に邪魔され落ちていく。
助けに行く余裕も、時間もないー。


エルヴィン団長が最後の指示を叫ぶ。
目標は達成された。
きっと故郷という場所に逃げていく彼らは、アニの元へ戻らないー。

「いや…っ、待ってっ!ねぇ、ベルトルト!ライナー!! 
 話をしよう!!お願いだから、アニをひとりにしなー。」
「さぁ、も行くよ!」

ナナバさんが私を片腕で抱えて、ライナーから飛び降りる。
続々と集まる巨人達が、鎧の巨人を隠していく。
それでも私は、叫び続けた。
どうかお願い、アニをひとりにしないでー。
私達は、彼女の仲間には、なってあげられないからー。
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