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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第136章 ◇第百三十五話◇覚悟と最善策【女型の巨人編】


何が起こったのか分からなかった。
なぜ、エルヴィン団長達が捕らえたはずの女型の巨人が自分達を追いかけてこられたのかー。
疑問は幾つもあったが、考えるのは後だ。
ただ分かるのは、グンタが死んだこと。そして、ここで戦わなければ、また人類は負けるということだ。
エルドの指示で、最善策をとったリヴァイ班は、自らが命を懸けて女型の巨人に応戦し、その間にエレンを逃がすことに決めた。
大切な仲間達を殺した女型の巨人を許しはしない。
捕獲なんて甘いことは言っていられない。エルドを囮にして、ペトラとオルオが隙を狙って女型の巨人の両目を切りつけた。

(今殺す!!)
(ここで惨めに死ね!!)
(クソ女型に報いを!!)

ペトラ達の強い意思とは裏腹に、女型の巨人は、捕獲されたときと同じように両手でうなじを守り、後ろの木に背中を預けた。
この状態で視力が回復するまで待つつもりのようだ。
だが、少なくとも1分間は、女型の巨人は暗闇の世界から抜け出せはしない。
エルドが自分の左脇を叩いたのを見て、ペトラとオルオは瞬時に指示の意味を理解する。
左右に別れて飛び、一気に飛び上がると、そのまま急降下しながら女型の巨人の両脇を同時に削いだ。
何度も、何度も、同じことを繰り返せば、支えるための筋肉を失った腕がだらしなく下に落ちる。
それまで数秒の間だった。
大丈夫、やれるー。
両手が使えなくなった女型の巨人は、後ろの木で首の後ろを隠しうなじを守りだした。
だが、それも、首を支える筋肉を削げば、うなじが狙えるようになる。
まずはエルドが飛んだー。

「エルド!!!退がってッ!!!」

後ろから聞こえた焦ったような声は、のものだった。
なぜ彼女がー。
咄嗟に動きを止めたエルドのすぐ上を、超硬質スチールの替刃が猛烈な勢いで飛んでいったのと、じっとしていたはずの女型の巨人が動いたのはほぼ同時だった。
女型の巨人が立てた歯が、エルドの身体に触れる寸前のところで、何も噛めないまま大きな音を立てる。
その瞬間に、が投げた超硬質スチールの替刃が女型の巨人の右目を切れば、また女型の巨人はおとなしくなった。
もし、が叫ばなければ、エルドはー。
ゾッとしたー。

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