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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第122章 ◇第百二十一話◇迷子の天使【女型の巨人編】


リヴァイ兵長の肩に頭を乗せて、少しの間、休憩をさせてもらっている。
巨人化したエレンの体力が持たないため、巨人化実験は午前中で終わったそうだ。

『寝てねぇんだろ。俺が見ててやるから、少しくらい寝ろ。』

兵舎に戻った後、わざわざ私を探しに来てくれたリヴァイ兵長は、昨日の夜、全然眠れていなかったのを心配してくれていたようだった。
優しい温もりに寄り掛かって瞼を降ろすと、本当にこのまま眠ってしまいそうになる。
気持ちいいくらいの太陽の日差しと優しい風も、私に寝ろと言っているみたいでー。

「キャッ、キャッ。」

楽しそうなヨシュカの声がして、重たくなっていた瞼が上がる。
何をしているのだろう、と思ったら、リヴァイ兵長がヨシュカの両脇を抱えて持ち上げていた。
高い高いの格好になって、ヨシュカは喜んでいたようだ。
でも、それをしてやっているリヴァイ兵長の表情は、子供をあやしているというよりも、ただじーっと観察しているという方がしっくりくるような真面目な表情でー。
それが可笑しくて、思わずクスッと笑ってしまう。
すると、それに気づいてリヴァイ兵長が私の方を見た。

「寝てなかったのか。」
「せっかく、リヴァイパパが見れるのに、もったいなくて眠れません。」

身体を起こすと、ヨシュカが嬉しそうに私の方に手を伸ばしてきた。

「ママの方がいいらしいな。
 せっかく遊んでやったのに、薄情なヤツだ。」

そう言いながらも、少しホッとした様子で、リヴァイ兵長は私の膝の上にヨシュカを置いた。
その動作がとても優しくて、リヴァイ兵長はきっととても良いパパになるんだろうと思う。
本人は、自分の過去や性格のことを考えて、絶対にそうは思っていないだろうけれど。
でも、膝の上に座った途端に、私の腰に抱き着いたヨシュカもきっと、リヴァイパパに遊んでもらって楽しかったはずだ。

「リヴァイパパと遊んでもらって、楽しかったでちゅか~?」

ヨシュカを抱き上げて、顔を近づけると、また楽しそうな声が返ってくる。
ほら、ヨシュカもきっと、リヴァイ兵長と遊んで楽しかったのだ。

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