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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第100章 ◇第九十九話◇お土産をどうぞ【恋の行方編】


「お土産買ってきましたよっ。」

スキップでもしそうな勢いでリヴァイ兵長の手を引いてソファに向かった私は、並んで座ると早速、紙袋の中からお土産をひとつずつ取り出す。

「まずは、リクエスト頂いた紅茶の葉ですっ。
 ウォール・ローゼ特産の珍しいなんとかっていう葉らしくて、
 試飲させてもらったんですけど、なんか、とても美味しかったですっ。」
「ひたすらふわっとしてんな。」
「でも、味はしっかりしてましたっ!」

自信満々に紅茶の葉を差し出す私から、リヴァイ兵長は躊躇いがちに受け取った。
でも、小さな袋に入っている紅茶の葉を覗いている横顔は、とても興味津々のように見える。
とりあえず、紅茶の葉のお土産は成功のようだ。

「次はー。」
「まだあんのか?」
「はいっ!次は、じゃじゃーんっ。」

紙袋の中から、私が自慢気に取り出したのは木箱だった。
訝し気にするリヴァイ兵長に強引に渡して、開けてみてくれと、ウキウキドキドキしながら催促する。
私の視線を気にしつつ、リヴァイ兵長は躊躇いがちに木箱の蓋を開く。

「ティーカップか。」
「はいっ!しかもこれ、すごいんですっ!!
 黒い翼がついてるんですっ!!」
「あぁ、そうみてぇだな。」

リヴァイ兵長は、取り出したティーカップを顔の前に持ってきてじっくりと眺め出す。
そして、私の顔を見て、とても不機嫌そうに口を開いた。

「俺を悪魔かなんかだと思ってんのか。」

まずい。
このお土産は失敗したみたいだ。
今、悪魔を連想する黒い翼は、タイミングが悪かったかもしれない。
でも、きっと、ちゃんと理由を話せば分かってくれる。

「あっ!おい、逃げんなっ!!」

リヴァイ兵長の部屋に設置されている給湯室に走った。
後ろから聞こえた怒っている声は、無視した。
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