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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第13章 ◇第十二話◇疲れる休日【調査兵団入団編】


どうしてこんなことになっているのか、必死に考えているのだが答えは出ない。
ハンジさんだと思って開けた扉の向こうには、驚くことに人類最強と名高いリヴァイ兵長が立っていた。
何か話があってやってきたようだったので、あまり気は進まなかったが部屋の中に招き入れた。
それが間違いだったのかどうかは、分からない。
ただ、私の部屋に入ったリヴァイ兵長は眉を顰めて、あの怖い顔で私を睨みつけてきた。
そして、ベッドの裏に手を這わせると、血の気を引かせていた。

『話はあとだ。まずはこの汚ぇ部屋を掃除する。』

何を言い出したかと思っていると、リヴァイ兵長はあっという間にお掃除スタイルに着替えていた。
そして、なぜか私も―。
そもそもこの部屋は数日前に入ったばかりで、持ってきた荷物も片付けてあるから、掃除の必要なんてないと思う。
何度もそう言ったのだが、それは片付けの話であって掃除は別だとかなんとかをあの怖い顔でお説教を交えながら言うものだから、今はおとなしくリヴァイ兵長に従って、掃除任務に従事している。
神経質に窓拭きをしているリヴァイ兵長は、何をしにここに来たのだろう。
そして、初めての壁外任務の翌日で、身体中が痛くて痛くてたまらない私は、どうして今、必死に雑巾で床を磨いているんだろう。
ようやく部屋の掃除が終わった頃には、私は巨人討伐したときとはまた違った疲れで死にそうだった。
倒れそうになるのを必死にこらえて腰を下ろし、ローテーブルに顔を突っ伏す。

(そういえば、寝ようと思ってたんだったなぁ…。)

このまま寝てもいいと言われても、疲れすぎて眠れない。

「情けねぇな。てめぇ、本当に調査兵になる気はあるのか。」

ない!と断言したいくらいだが、そんな元気もない。
デスクの椅子を引いて、我が物顔で腰を掛けているリヴァイ兵長は、涼しい顔をして紅茶がどうのとか言ってるが、聞こえない。
聞きたくない。
一仕事終えて紅茶が飲みたいって言うのなら、自分で用意して勝手に飲んでくれ。

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