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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第97章 ◇第九十六話◇反撃開始【恋の行方編】


これから、まずはウォール・ローゼの市街地に向かう。
そこで待機しているルーカスの執事の馬車に乗り換え、私とハンジさんは王都へ向かう。
リヴァイ兵長が生まれ育ち、仲間と出逢い、命を懸けて生きていた地下街。その上で、華やかに暮らしている人達が暮らす場所へー。
流れる窓の外の景色は、いつの間にか見慣れたを通り越して、私の帰る家になっていた兵舎を小さくしていく。
そして、巨人に踏みにじられたトロスト区の暮らしを映し始める。
必死に、必死に、巨人に負けないと叫ぶように生きている人達が、今日も朝の挨拶を交わして、一日を始めようとしている。
どんな華やかな場所がこの世界にあろうとも、私は、この街に住む人達が好きだ。
そしてー。

「エルヴィン団長にこそ、バレませんでしたか?」

ふと気になって、ハンジさんに訊ねてみた。

「君のご両親が心配していることは知っているからね。
 一緒に挨拶をしに行くと言えば、信じてくれたよ。」
「そっか。よかったです。」

ホッと息を吐く。
リヴァイ兵長よりも、何でも見抜いてしまう瞳のエルヴィン団長にバレないかが心配だったのだ。

「後は、ケイジ達がうまくリヴァイとエルヴィンに立ちまわって
 バレないようにしてくれるよう、願うだけだね。」
「ハンジ班、総出でありがとうございます。」

頭を下げた私の髪を、ハンジさんが優しくクシャリと撫でた。

「君だけの為じゃないさ。
 リヴァイが調査兵団に残るためなら、きっとみんな何だってする。」
「そうですね。」

顔を上げて、私は自然と笑顔になった。
みんなが、リヴァイ兵長のいる調査兵団の未来を願っている。
それを理不尽に奪わせてなるものか。
馬車はいつの間にか、ウォール・ローゼへ向かう内門を通り抜けようとしている。
さぁ、反撃開始だー。
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