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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第95章 ◇第九十四話◇幸せな一日の、最初の日【恋の行方編】


「これからは、ほぼ同時期に調査兵団に入団した、ほぼ同期で仲間で
 頼りになる弟として、よろしくお願いしますっ!」

頭を下げて、ジャンは私に握手を求めてきた。
真っすぐに伸びたその手が、恋の終わりを求めているように思えた。

「頼りになるって自分で言っちゃうんだ。」
「はい、事実なんでっ!」

クスッと笑って、私はジャンの手を握る。

「頼りにならないお姉さんだけど、よろしくね。」
「はい…!」

顔を上げたジャンのハニかむ表情が、どこか切なさも残していて、それは私にも伝染する。
でも、受け止められない気持ちを、私もジャンも、どうすることも出来ない。
それから、郵便所と教室が同じ方向だった私達は、話しながら目的地へと向かった。

「あ、それからあの雨の日の傘なんですけどー。」
「ん?傘がどうしたの?」

途中で話すのをやめてしまったジャンに、私は訊ねた。
少し考えるようにしていたジャンだったけれど、すぐに少し意地悪な笑みを浮かべて、私を見て口を開いた。

「やっぱり、それは最後の仕返しとして秘密にしておきます。」

意地悪く言うジャンが、今日の空みたいに、とても晴れ晴れとしていたからー。

「えー?なにそれー?」

困ったように言ったけれど、ジャンが話したくないのならそれでいいかな、と思った。
恋の相手としては、好きにはなれなかったけれど、でも、私は、ジャンが好きだから。
強がりで、意地っ張りなところが、私に少し似ている弟としてー。
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