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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第12章 ◇第十一話◇訓練【調査兵団入団編】


彼女のことを希望の星だと呼ぶ調査兵もいれば、美人な彼女に現を抜かす幸せな調査兵もいるし、どうせ民間人だろと乏しめる調査兵もいる。
ここにいる幹部達も彼女の実力について測りかねていただろうが、ナナバとゲルガーの話を聞いて確信したようだ。
しかも悪い方向に。

「そんな女は今すぐに兵舎から追い出そう。」
「民間人を壁外に出して殺して帰ってきたとなったら、調査兵団の存続に関わる。」

幹部達が口々に否定的なことを口にする。
でも、みんな、掃討作戦のときの彼女を見ていないからそんなことが言えるのだ。
あのときの彼女を見たのなら、きっと考えが変わる。
そして、あのときの彼女を見るチャンスを壁外でなら作れるとハンジは確信している。

「あの日、彼女はある兵士の戦闘を真似することで、巨人に襲われていた母子を救いました。」
「たまたまだったんだよ。あの立体起動装置の腕でそんなこと―。」
「立体起動装置の扱いについては、メンテナンス作業に従事していた技術者から
 聞いたことはあっても実際に使用するのは初めてだったそうです。」
「今でも初めてのようなもんだぜ?
 なんたって、はアンカーでナナバを刺すところだったんだからな。」
「その後、彼女は駐屯兵の勘違いによって、トロスト区奪還作戦、およびにトロスト区内の巨人掃討作戦に参加し
 そこで、我々調査兵1人あたりの平均討伐数を軽く超える8体を討伐しました。」

の調査兵団入団を今すぐに取りやめようと騒いでいた幹部達は、そこまで言って、やっと静かになった。
それほどまでに、巨人討伐数8体というのは驚くべき数字なのだ。
それを彼女は討伐補佐もなしに一撃でうなじを切り落とし討伐している。
このことについて、兵団は彼女を評価すべきだ。

「ーしかもそれを、兵士の真似のたった1つの技だけで成し遂げたんです。
 たったの一度!一度しか見たことがなかった兵士の真似だけであの地獄を乗り切ったんですよ!!」

シンと静まり返った会議室内で、ハンジの鼻息だけが響いていた。
みんな、考えあぐねているようだった。
8体の巨人討伐というのは、ナナバの言っていたような“たまたま”では絶対にありえない。
それは理解してもらえたようだが、それと同時に、ナナバとゲルガーが訓練をして導き出した“兵士としての素質ゼロ以下”という結論も無視できない。
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